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中野店ブログ 薬 よもやま話
更新日:2025年03月01日

今回は漢方生薬の桂皮について
桂皮(けいひ)とは
桂皮と言われると馴染みがないですが、別名「ニッキ」「シナモン」と言えばご存じの方も多いと思います。桂皮とは、熱帯に育成する常緑樹クスノキ科ケイ(トンキンニッケイ)の幹または枝の皮(樹皮)を乾燥したものです。生薬として用いられるときは、桂皮と呼ばれ、その樹皮から作られる香辛料の名は、シナモン、ニッキと呼ばれます。
原産地は中国南部からベトナムあたりにかけて、熱帯各地で幅広く栽培され、薫り高く、『スパイスの王様』と呼ばれます。世界最古のスパイスの一つといわれ紀元前4000年ごろからエジプトでミイラの防腐剤として使われ始めました。日本には8世紀前半に伝来しており、正倉院宝物の中にもシナモンが残されています。
桂皮の働き
桂皮に解熱・発汗作用がありますがとてもおだやかです。大脳の知覚中枢に作用して鎮痛効果を現しますので、頭部の血管けいれんによる頭痛や、内臓平滑筋のけいれん痛を緩和することで頭痛や腹痛をやわらげます。
芳香性健胃作用で駆風(くふう:腸内のガスを追い払う力)の働きがあり、唾液や胃液の分泌を促進して消化を助けます。
桂皮の効能効果
- 解熱して皮膚血管を拡張し、血液循環を調整して、血液を体表に向かわせるので、非常におだやかな熱の放散と発汗に有効です。
- 関節リウマチなどの筋肉や関節のしびれる痛みを止め、筋の緊張を緩め血液の循環を促進させます。
- 血液循環機能を促進し、発汗と利尿の作用を強めることで局所の体液停滞を軽減し、体の体液代謝を促進します。