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中野店ブログ 薬 よもやま話 3
更新日:2022年08月18日
今回は、皆さんよくご存じのアリナミンについてです。
アリナミンはビタミンB1の誘導体「フルスルチアミン」を製剤化したものです。
ビタミンB1を発見したのは日本人
皆さんは、脚気という病気をご存じですか?脚気を見つける一つの方法として「ハンマーで膝をたたく」というイメージはあっても、よく知らないという方は少なくないのではないでしょうか?
脚気は典型的なビタミンB1欠乏症で、眼障害、歩行艱難、意識障害などの中枢神経障害や全身倦怠感、浮腫、四肢の知覚異常など末梢神経系障害を生じ、重症化すると心不全に至るなど死亡することもある重大な疾患です。
古くは源氏物語や枕草子にも症状の記載があり、白米が普及した明治時代には大変増加し、国民病と言われていました。
ビタミンB1発見のきっかけは、1880年代に白米中心の食事を摂っていた旧日本軍で多発したことです。当時、パンや玄米を接種していた軍人では脚気が見られなかったことから、精米時に削ぎ落とされる米ぬかが着目され研究が始まりました。
米ぬかに未知の不可欠栄養因子の存在が推測され、農芸化学者であった鈴木梅太郎博士が1910年、米ぬかから脚気の予防・回復に有効な成分を発見。それをオリザニン(後のビタミンB1)と命名しました。ビタミンB1を発見したのは日本人だったのです。
また、1951年に医学者であった藤原元典博士が食費中のビタミンB1と滋養強壮のために食べられるニンニクとの相性。ニンニクによりビタミンB1(水溶性)が、脂溶性のアリチアミンという物質に変わったことに気づきました。これが最初に発見されたビタミンB1の誘導体で、後の製剤化(アリナミン)の道を開かせたのです。