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にじいろ薬局 ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について②

更新日:2022年10月01日

ヘッドホン難聴の原因

耳から入った音は、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官にある「有毛細胞」という細胞で振動から電気信号に変換され、脳に伝わることで聞こえるようになります。

しかし、自動車の騒音程度である85dB(デシベル)以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して、有毛細胞が傷つき、壊れてしまいます。有毛細胞が壊れると、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。WHOでは、80dB1週間当たり40時間以上、98dB1週間当たり75分以上聞き続けると、難聴の危険があるとしています。

なお、100dB以上の大音響では急に難聴が生じることもあります。

特にヘッドホンやイヤホンは耳の中に直接音が入るため、周囲に音漏れするほどの大きな音で聞いていたり、長時間聞き続けたりすると、難聴が起こります。

 

ヘッドホン難聴の治療

有毛細胞が壊れる前であれば、耳の安静を図ることで回復します。そのため、初期には耳栓を使う、定期的に耳を休ませるといった指導が行われます。

大音響などを聞いたあとに急に耳の聞こえが悪くなったときは、突発性難聴の場合と同様に、内服や点滴のステロイド剤による薬物療法が中心になります。血管拡張薬(プロスタグランジンE1製剤)やビタミンB12製剤、代謝促進薬(ATP製剤)などを使うこともあります。

ただし、これらを行っても聴力が十分に改善しないこともあります。

 

ヘッドホン難聴の予防

WHOでは、ヘッドホンやイヤホンで音楽などを聞くときには、耳の健康を守るために、以下のようなことを推奨しています。

 

音量を下げたり、連続して聞かずに休憩を挟んだりする

使用を11時間未満に制限する

周囲の騒音を低減する「ノイズキャンセリング機能」のついたヘッドホン・イヤホンを選ぶ

 

出典:小川 郁 慶應義塾大学医学部 耳鼻咽喉科 教授 . 突発性難聴について . e-ヘルスネット .  https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/sensory-organ/s-002.html

厚生労働省. (2019)

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