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中野店ブログ 薬よもやま話 5
更新日:2023年07月01日
今回からはビタミンの話です。まずはビタミンAについて
ビタミンAとは
ビタミンAとは、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称で、脂溶性ビタミンに分類されます。
また、植物に含まれるβ(ベータ)–カロテンは、摂取すると、小腸上皮細胞でビタミンAに変換されるのでプロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれ、ビタミンAの仲間に分類されます。
ビタミンAの吸収と働き
ビタミンAの主要な成分であるレチノールには、眼や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあります。また、レチノールは、視細胞での光刺激反応に関与するロドプシンという物質の合成に必要なため、薄暗いところで視力を保つ働きもあります。最近ではレチノールが上皮細胞で発癌物質の効果を軽減するといわれています。
一方、プロビタミンAであるカロテンにはβ型の他にα(アルファ)型、γ(ガンマ)型、クリプトキサンチンなどがありますが、ビタミンAの効果が最も高いのはβ–カロテンです。とはいっても、β–カロテンもすべてビタミンAに変換されるわけではなく、吸収効率やビタミンAへの変換率を考慮すると、β–カロテンはレチノールの6分の1の効力に相当すると見積もられます。
ビタミンAが不足するとどうなるか
ビタミンAが不足すると暗順応障害が起こり薄暗いところでものが見にくくなり、やがて夜盲症になります。また、角膜や粘膜上皮が乾燥し、角質化するほか、皮膚や粘膜でも、乾燥、肥厚、角質化が起こります。小児の場合は成長が停止する場合もあります。
反対に脂溶性ビタミンである、ビタミンAは過剰に摂取しても、健康障害が起こることが知られています。ビタミンAの過剰症は通常の食事ではほとんど起こりませんが、サプリメントを利用したり、ビタミンAを多く含むレバーを過剰に食べたりする際は注意しましょう。
*β–カロテンの多い食品は、ニンジン、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃなどの緑黄色野菜や、かんきつ類、スイカなどの果物です。